自然情報 – 旭山記念公園 旭山記念公園野鳥情報2021年1月24日(日曜日)
旭山記念公園野鳥情報、2021(令和3)年1月24日日曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎本日の野鳥観察会
本日8時より旭山野鳥観察会を行いました。
観察会の間に確認できた野鳥は以下の20種でした(五十音順)
アカゲラ、ウソ、カケス、キクイタダキ、キレンジャク、
クマゲラ、コゲラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、シメ、
ツグミ、ハギマシコ、ハシブトガラ、ハシブトガラス、ヒガラ、
ヒヨドリ、ヒレンジャク、ベニヒワ、マヒワ、ヤマガラ
シマエナガは観察会の間には出ませんでしたが、終了後に出ました(今週のシマエナガの項にて詳述)。
クマゲラ、9時頃風の丘北側に「プルプル」と鳴きながら飛んで来て、姿を見られた人もいましたが、すぐに飛んで移動して分からなくなりました。
キクイタダキ、風の丘下の松で2羽をじっくりと観察できました。
ハギマシコ、森の家上空を1羽だけ飛んでいました。
ベニヒワ、マヒワは今日は少なかったです。
ヒレンジャクとキレンジャクの混群合計40羽ほどを何度か観察しました。
ツグミ、数は減りましたが道中常に近くに1羽2羽いるといった感じで、木の低い位置いた個体を近くで観察もできました。
昨日あまり天気がよくなかったせいか、今日は寒いですが鳥はそれなり以上に出ました。
本日、観察会の時間以外に観察情報があった野鳥・・・4種
オオアカゲラ、シマエナガ、ハシボソガラス、ヤマゲラ
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今日は観察会の後に森の家の周りに2回出て、「小シマエナガ祭り」といった感じでした。
最初は10時前、森の家西側の沢に10羽前後で出て、南へ沢沿いに移動し、木橋の辺りで西の山の方に向かって一度分からなくなりました。
それから約1時間半後の11時半頃、やはり10羽前後カラマツ林に現れ、森の家裏側辺りに30分ほど滞在し、一部は森の家南側のハリギリで採餌し、そのまま西側に流れて分からなくなりました。
この時は低い木に来たり同じ木に長くいたりで、最近ではじっくりと観察できる機会でした。
まずは今日撮影した写真を2枚。
昨日1月23日は森の家の周りには出ませんでしたが、一昨日1月22日金曜日は9時頃に森の家西側の沢に10羽前後出て北西に進んで旭山都市環境林で追えなくなりました。
また、1月21日木曜日は10羽前後がミュンヘンの森付近を通って第2駐車場の方に移動しました。
ここ4日間で3回、森の家の周りの見やすい場所に午前に出ており、先週よりは見られる機会が多かったです。
例年であればそろそろつがいでの行動が増えて群れで見られる数や機会は減ってゆきますが、今年はどうでしょうか。
次の写真は1月22日に森の家の裏で撮影したもので、3羽並んでいます。
◎今週のトピックス
ミヤマホオジロ
1月22日金曜日には観察情報がありましたが、昨日、今日と情報がありません。
やはりというか、南に渡っていなくなった可能性がありそうですが、もう少し様子を見ます。
ハギマシコ
1月18日、森の家南側のハリギリにハギマシコ10羽前後が来ました。
ハギマシコは今冬園内での観察情報がありましたが、旭山では珍しく、かつて数回通過で見られただけでした。
この時はハリギリの実を食べて10分ほどで飛んでいなくなりました。
その後も園内での観察情報があり、今日も先述のように観察会の間に1羽だけ飛んでいました。
ハギマシコは石狩湾方面でよく見られていますが、この先旭山でも見られるかどうか要注目です。
ベニヒワ
昨日は100羽前後の群れが見られていましたが、今日は数羽から10羽程度の群れが何度か見られただけでした。
以前も書きましたが、ベニヒワは旭山で越冬するときは10羽くらいで、このまま少数が越冬するか、多く見られていないのは今日だけのことかはまだ現時点では分からず、今週は注意しながら観察してゆきます。
マヒワ
マヒワは今週に入って数が減り、マヒワだけで100羽以上ということはなくなりました。
ベニヒワが一時増えたので分からなかったのですが、実はマヒワは減っていました。
マヒワも旭山で越冬する際にはせいぜい30羽くらい、昨年一昨年は10羽いるかいないかくらいでしたが、こちらもこのまま越冬するか、数が減ったのは一時的なものなのかなど要注目です。
キレンジャク
先週まではヒレンジャクの群れに数羽いるくらいでしたが、数日前から10羽前後が確認されています。
ただ、行動はヒレンジャクと共にしていることが多く、キレンジャクだけがいるという状況はほとんどありません。
写真は1月22日に撮影したキレンジャクで、この時は森の家近くの低い位置のナナカマドを食べに降りて来ていました。
ヒレンジャク
今朝はキレンジャクと混合で40羽ほどの群れが見られましたが、ヒレンジャクの方が多いように思われ、まだ20羽以上は残っています。
ヒレンジャクは例年ではそろそろ見られなくなりますが、今年はいつまで見られるでしょか。
写真は1月22日、上のキレンジャクと同じ時に同じ場所で撮ったヒレンジャクです。
◎冬の鳥情報
ツグミ
先週は20羽ほどが見られていましたが、一昨日くらいから園内で見られるのは数羽になってきました。
ただし、今日の観察会のところでも書きましたが、低い位置に降りるようになってきており、いつもどこかに1、2羽がいるという感じになっていて、観察撮影にはよくなっているかもしれません。
写真は今日森の家の前で撮影したものです。
亜種ハチジョウツグミ
最新では1月22日金曜日に園内での観察情報がありました。
イスカ
大雪だった火曜日1月19日、朝8時頃森の家前に数羽が飛んで来ました。
園内で観察されたのは久しぶりで、しかも比較的低い位置に来ましたが、すぐに飛んで逃げました。
イスカはこの先も観察される可能性がありますが、ひと月前のように毎日1回は声を聞くということはなくなっています。
ウソ
昨日1月23日、森の家前を飛ぶ5羽が見られましたが、ここ数日、森の家と藻岩山の間くらいから鳴き声が日に何度も聞こえてきています。
まだ園内で近くで観察したとの情報はないですが、そのうち見られることがあるかもしれません。
キクイタダキ
このところ風の丘下の松によく来るようになっていて、今日も観察会で出ていましたが、観察には条件がよくなってきています。
その他園内の松でも見られます。
キバシリ
園内で時々見られていますが、囀りはまだ聞かれていません。
ミソサザイ
見たり見られなかったりです。
園内の谷で早朝に囀りを聞いたという情報もありましたが、ミソサザイの囀りが旭山で聞かれるのは珍しいことです。
コガラ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、見落としているだけの可能性が高く、探せば見つかるかもしれません。
カケス(亜種ミヤマカケス)
森の家南側とつり橋周辺で見られる機会が比較的多いです。
写真は森の家南側のイタヤカエデに来たところを撮影したもので、イワガラミが巻き付いてドライフラワーになっています。
◎留鳥その他情報
クマゲラ
この一週間もほぼ毎日園内での観察情報がありました。
今日の観察会では近くには来たもののじっくりとは観察できませんでしたが、冬の間はまだまだ園内で観察機会が多くあると思われます。
オオアカゲラ
今週もほぼ毎日見られています。
アカゲラ
今週もよく見られています。
コゲラ
観察機会は多いです。
写真は本日撮影したものです。
ヤマゲラ
ときどき観察されていますが、藻岩山登山道入口付近から声がよく聞こえてきます。
フクロウ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も観察情報がありました。
ハイタカ
今週も観察情報がありました。
ノスリ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は観察情報はありませんでした。
オジロワシ、オオワシ
今週は観察情報はありませんでした。
イカル
今週は観察情報はありませんでした。
シメ
今日も20羽以上の群れで飛んでいるのが見られましたが、1羽から数羽で見られることも多く、また「シーッ」という声を聞くことも多いです。
ただしいつもいいますがシメは警戒心が強く、30mくらい離れていても近寄ろうとするとすぐに飛んで逃げます。
写真はしかし、森の家の近くにあるナナカマドを食べに来た小群の雌で、この時は木に囲まれた場所だったからか、10mくらいまで近寄って撮れました。
カワラヒワ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ
「フィーフィー」という囀りを聞くことが増えてきました。
シジュウカラ
園内でよく見られていますが、やはりシジュウカラのみ囀りはまだです。
ハシブトガラ
園内でよく見られ、「ピィピィピィ」という囀りも多く聞かれています。
ヤマガラ
「チーリーツー」という三拍子の囀りを聞く機会がさらに増えてきました。
ヒガラ
園内でよく見られており、囀りも聞く機会が多いです。
ハクセキレイ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ヒヨドリ
園内でよく見られています。
ハシブトガラス、ハシボソガラス
園内でよく見られています。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。
◎野鳥の英名 その2 シジュウカラ Japanese Tit ~グレイトから日本のカラへ
野鳥の英語の名前について考えてみようというお話。
第2回目の今日はシジュウカラ。
シジュウカラはかつて英語でGreat Titという名前でした。
道民にはおなじみ亜璃西社「北海道野鳥図鑑」でも、旧版ではGreat Titと記されています。
学名もかつてはParus majorでしたが、これは、日本のシジュウカラはかつて、英国などユーラシア大陸に広く分布するシジュウカラ科の鳥(の亜種)として扱われていたことを意味します。
しかし、近年の遺伝子解析などの研究により、かつてのシジュウカラが幾つかの種として分けられることになり、日本にいるシジュウカラは新しい主として独立、英語名がJapanese Tit、学名がParus minorに変わりました。
亜璃西社「新訂 北海道野鳥図鑑」にもそう記されていますが、名前が「グレイト」から「日本の」に変わったというわけ。
ただし、「日本の」とついてはいますが、東アジア広域に生息しています。
そして学名が「メジャー」から「マイナー」に変わったのも興味深いですが、こちらも小さくなったわけです。
シジュウカラについては、英語名や学名が変わったところで少なくとも日常生活においては大きな影響はないですが、今後研究が進むにつれ、いろいろなことが分かってきて、聞いたことがない名前の鳥が身近にいる、なんてことになるかもしれません。
余談ですが、シジュウカラ科の道内で普通に見られる5種は、以前(=図鑑旧版)ではすべて学名の左側がみなParusで同じ「属」として扱われていましたが、現在(=図鑑新版)では、シジュウカラのみがParus、ヤマガラ、ハシブトガラ、コガラはPoecile、ヒガラはPeriparusと3つの別の「属」に分類されました。
次回は2021年は1月30日(土曜日)に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。
2021/01/24