モエレ沼公園-イサム・ノグチ設計 モエレ沼公園グランドオープン15周年記念展「山内 悠 惑星」

モエレ沼公園グランドオープン15周年記念として、「Imaginary Landscapes」シリーズの第4弾、「山内悠 惑星」展を開催します。

山内悠は、自然と人間の関係性について、写真を通して探求している作家です。
2014年から毎年モンゴルに通った中で撮影されたシリーズ『惑星』は、原始的な方法で暮らす遊牧民ツァータン族をたずねたことからはじまりました。ウランバートルという近代的な都市のすぐ横で、自ら遊牧民として生きることを選択した彼らは、グローバル経済に紐づいた物質社会と離れても、数千年と変わらない、独自に暮らしていける生活圏を構築しています。
その姿に地球での人間のあり方を考えさせられ、宗教上の楽園をイメージしたと山内は言います。
惑星の創生期を思わせる鉱物の世界、自然と動物とが共存する楽園のような遊牧民の生活、現代の文明を享受するポップでどこかフィクションめいた都市、まるで映画の中の“未来”を彷彿とさせる砂漠の中のランドスケープ――。

本展では、このひとつの国の中に存在する、人類社会の進化を追うような4つの世界を、新作プリント約50点によって表現します。近年、急激に厳しさを増している人間と自然の関係。わたしたちが今、探し当てたい新しい未来のひとつの道筋が見えてくるかもしれません。


出品作品 

(C)Yu Yamauchi THE PLANET

(C) Yu Yamachi THE PLANET

(C) Yu Yamauchi THE PLANET

(C) Yu Yamauchi THE PLANET


惑星

自然と人間が調和する楽園のような世界を探すための旅は5年に渡り、モンゴル全土を巡った。
最後は中国の内モンゴル自治区にも足を運んだ。
旅を終え、撮影した写真を並べてみると、僕は楽園を追い求める中で、時空を超えたような別々の世界に旅をしていた事に気がついた。写真にあらわれたそれらの光景は、全てが異次元の世界のように感じられるが、実際には、その瞬間に同じ国の中で隣り合わせに存在していたのだ。
写真は僕自身が無意識に行き来していた場所を俯瞰して見せてくれた。
僕たちが生きるこの宇宙には次元や時空を超え、あらゆる世界が複層的に同時に存在している。まるで無数の惑星のように。存在する複数の世界が、平行してそれぞれの「いま」を生きている。時は過去から現在、そして未来へと線的に進んでいくのではなく、在るのは無限の「いま」という点だけなのかもしれない。すべての世界は相対的に存在すると言われている事がなんとなく理解出来るような気がした。
モンゴルでの旅は人類の歩みを辿るような世界を見せてくれた。この先、人類がどのように歩むのか。その答えは、今この瞬間、瞬間をそれぞれがいかに「在る」のか、に全てが集約されていく。

―― 山内 悠


出品作家

山内 悠 Yu Yamauchi

1977年、兵庫県生まれ。長野県を拠点に国内外で作品を発表している。独学で写真をはじめ、スタジオアシスタントを経て、富士山七合目にある山小屋・太陽館の滞在中に撮り続けた作品をまとめた写真集『夜明け』(赤々舎)を2010年に発表。2014年には、太陽館の主に焦点をあてた山小屋での日々を著した書籍『雲の上に住む人』(静山社)を刊行。2020年7月には、5年をかけてモンゴルで撮影し続けた写真をまとめた写真集『惑星』が出版される。
http://www.yuyamauchi.com/

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